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かんたん?むずかしい?合同証明の記述問題をマスターしよう!~その4~ 栄南中・栄町中の生徒さんの挑戦を待っています!

こんにちは。札幌自学塾・新道東店の講師、五十嵐です。

4回目となる合同証明の記述問題、今回もちょっとだけ難易度が高いです。

前回の記事や塾長のYouTube動画講座も併せてご覧ください。

(前回記事はこちら)

(塾長のYouTube動画講座はこちら)

 

合同証明の記述問題~その4~

 

問4.

次の図のように、正方形ABCDがある。辺CD上に、2点C、Dと異なる点Eをとり、点Aと点Eを結ぶ。点Eから対角線ACに垂線をひき、その交点をFとする。また、2点E、Fを通る直線と辺BCとの交点をGとし、点Aと点Gを結ぶ。このとき、△AEF≡△AGF であることを証明しなさい。

 

・考え方

・解答例

 

考え方

 

今回の考え方は、実際に私が問題を解くときの道筋をそのまま書いています。

最終的に少々トリッキーな解き方になるので、どのような順番で考えているのか、ぜひ注目してみてください。

 

いつもどおり、ゴールを確認するのは同じです。

△AEF≡△AGF を証明することが目標ですので、まずは、この2つの三角形が図中のどこを指しているのかを把握しましょう。

 

 

次に、設問文から読み取れる条件を図にどんどん書き入れてゆきます。

サクっと書くと、AFは共通な辺(赤)∠AFE=∠AFG=90°(青)です。

 

さて、あと1ヶ所の辺または角が等しいと言うことができれば無事に証明ができそう。

ここで、ちょっと踏み込んだ解説をします。

 

 

今回証明する合同な図形は、ただの三角形ではなく、直角三角形です。

そして、直角三角形の場合のみ使える合同条件として、次の2つがあります。

 

・斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい

・斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい

 

この合同条件を用いる場合のポイントとしては、必ず「斜辺が等しい」と示さなくてはなりません。

ですが、今回の問題では、斜辺に当たる AE=AG(緑)を直接示すことができません。

 

 

そこで、通常の三角形の合同条件を考えてみます。

EF=GF(図の左下・緑)と言うことができれば、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいと言えます。

∠EAF=∠GAF(図の右下・緑)と言うことができれば、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいと言えます。

 

さて、みなさんは EF=GF または ∠EAF=∠GAF と言うことができますか?

残念ながら、どちらも1手で直接示すことができません。手詰まりです。さぁ困りました。

 

 

 

今回の問題の最大の山場です。

この問題では、図を見ると分かるように、他にもいくつか三角形が登場しています。

その中で「この三角形だったら合同ってすぐ言えたんだけどなぁ…。」とガッカリするような図形がありませんか?

 

そう、△CEFと△CGFの組み合わせです。

そして、この三角形には、辺EFと辺GFが含まれています。

もし、△CEF≡△CGF と言うことができれば、合同な図形の対応する辺が等しいことから、EF=GF が成り立ちます。

 

 

 

サクっと書くと、CFは共通な辺(赤)∠EFC=∠GFC=90°(青)∠ECF=∠GCF=45°(緑)ですから、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△CEF≡△CGF となります。

 

 

そうすると、合同な図形の対応する辺は等しいので、EF=GF(緑)となります。

△AEFと△AGFに戻って考えてみると、AFは共通な辺(赤)∠AFE=∠AFG=90°(青)EF=GF(緑)と3つの材料が揃い、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいと言うことができるため、△AEF≡△AGF が成り立つと証明することができます。

 

今回のように、合同な図形の対応する辺や角が等しいことを利用するケースもあります。

ある三角形の合同証明をするために、別の三角形の合同証明をする必要があるというのも面白いですね。

 

解答例

 △CEFと△CGFにおいて、

CFは共通な辺・・・①

四角形ABCDは正方形なので、∠ECF=∠GCF=45°・・・②

AC⊥EGより、∠EFC=∠GFC=90°・・・③

①、②、③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、

  △CEF≡△CGF

合同な図形の対応する辺は等しいので、EF=GF・・・④

 △AEFと△AGFにおいて、

AFは共通な辺・・・⑤

AC⊥EGより、∠AFE=∠AFG=90°・・・⑥

④、⑤、⑥より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、

  △AEF≡△AGF